2015年10月1日木曜日

殺害予告を受けたシールズ奥田愛基さんへの植村隆さんのメッセージ

以下、植村応援隊のブログから転載いたします。



〈奥田愛基さんと家族への「殺害予告」は絶対に許せない〉
 

シールズの奥田愛基さんと家族への殺害予告は犯罪だ。
同じような被害を受け続けている私は、この卑劣な犯罪行為を見過ごすことはできない。 

奥田さんは、シールズの中心メンバーとして安保関連法案に反対し続けてきた。
この国には、自分たちにとって不都合なことを言う人を力づくで黙らせようとする勢力が存在する。 

私は1991年、韓国で元日本軍慰安婦が被害証言を始めたという記事を書いたことで、一部メディアやネットでバッシングされてきた。
私が神戸の大学に転職が決まったことが「週刊文春」で昨年1月末に報じられたことをきっかけに、一気にエスカレートした。

 私を慰安婦問題の捏造記者だとする 「週刊文春」の記事はネットで拡散し、大学側に抗議電話やメールなどが相次いだことで、私は転職先を失った。
非常勤講師を務める北星学園大学にまで脅迫状がきた。
私だけでなく、高校生の娘は名指しで殺害予告を受けた。

 たとえ、自分と異なる意見の持ち主だとしても、それを脅迫という暴力で封じ込めようとする行為はあってはならない。

安倍首相には、「日本は民主主義の国だ。奥田さんへの脅迫は私が許さない」と言ってほしい。
意見が違っても、奥田さんの言論の自由を守る姿勢を示してほしい。
毅然とした政権の姿勢が、卑劣な行為の抑止になる。

奥田さん、ひるまず、ますますがんばってほしい。
私も負けない、ひるまない。


                 2015年10月1日 

植村 隆(元朝日新聞記者・北星学園大学非常勤講師)

2015年9月5日土曜日

マケルナ会シンポジウムを開催


シンポジウム「北星問題」の意味するもの
  ~負けるな北星!の会の1年~
 
日時 9月19日(土)午後2時~
会場 かでる2・7 (4階) 大会議室
参加費 500円

内海愛子氏(恵泉女学園大学名誉教授)講演&パネルディスカッション
※予約不要。直接会場へ


植村隆さんの名誉棄損訴訟、札幌地裁からn移送決定が取り消されました

 

 植村隆さんが櫻井よしこ氏らを相手に起こた名誉毀損訴訟について、札幌高裁は8月31日、「札幌地裁ではなく、東京地裁で行う」とした札幌地裁の決定を取り消しました。署名へのご協力ありがとうございました。

札幌弁護団の声明

2015年7月18日土曜日

植村隆さん名誉棄損裁判の移送決定取り消しを求める署名にご協力を(署名の送り先を追加)

植村隆さん名誉棄損訴訟の札幌弁護団は次のように訴えています。
*******札幌弁護団より********
私たちは、札幌地方裁判所に名誉毀損訴訟を起こしましたが、札幌地方裁判所は、被告らの移送申立てを受けて、東京地裁に移送する決定をしました。
その理由は、被告らの関係者は東京周辺に在住していることや被告らが札幌に出廷する期日調整が困難であるといった技術的理由から、東京地裁に移送を決定しました。
  しかし、非常勤講師である植村さんと著名なジャーナリストや出版社の経済格差は明らかです。しかも、植村さんは名誉毀損の被害者であり、その名誉毀損によって職を失った方です。
それにも関わらず、植村さんと弁護団に毎回、東京に出廷を求めることは極めて不公平です。また、移送決定は、マスメディアによる一市民に対する名誉毀損事件を事実上東京地裁の専属管轄とする結果を招く先例となる無謀かつ極めて不当な決定です。
植村さんの被害の実態を十分に審理するためには、裁判は地元である札幌地裁で行うことが必要ですし、最もふさわしいと考えられます。そこで、私たちは札幌高等裁判所に抗告し、現在、審理されています。
この裁判は、札幌の弁護士を中心に107名もの弁護士が代理人となっています。
植村さんの名誉を回復するためであることは言うまでもありません。慰安婦問題をなきものにしたい者たちによって「捏造記者」のレッテルを貼られ、過去の言動をなきものにされようとしている言論の自由、脅迫や圧力等による大学の人事介入や大学の自治、学問の自由の危機。こうした自由の危機的状況を象徴する事件だと考えているからです。
植村訴訟は、私たちは札幌地裁での審理を求めていますが、残念ながら札幌地裁は不当にも東京地裁への移送を決定してしまいました。札幌高裁の判断も予断を許しません。
しかし、仮に、東京地裁に移送された場合であっても、講演会や裁判報告集会などを企画して、みなさんに裁判の状況をご報告したいと考えています。また、植村さんの名誉回復や今日の事態を打開するためには市民の皆様のご支援も必要になります。今後ともぜひ応援をよろしくお願いします。
****************************
署名用紙・印刷用
このような訴えを受け、その決定の取り消しを求める署名活動が始まりました。是非ご協力をお願いいたします。
高裁の決定が迫っていることから、遅くても7月27日までに、以下へ郵送していただき 〒060-0042
札幌市中央区大通西12丁目
北海道合同法律事務所気付
北星学園大学卒業生有志一同 

★集まった署名の送り先に、FAXとメール(スキャンした用紙を添付)が追加されました。
よろしくお願いします。
FAX:011-231-3444
メール:uemurasaiban.sapporo@gmail.com

2015年7月10日金曜日

青木理さん講演会があります。7月16日はかでる2・7へ



政権の傲慢と政治の劣化が目に余る。

権力を監視するはずのメディアはどうだ?

市民が何とかしなければ・・・・

青木理さんと一緒に考えよう。

7月16日はかでる2・7へ!


2015年6月7日日曜日

【公開学習会】 北星学園大学脅迫事件から考える メディア、ネット社会、大学 ―自由と民主主義の危機!?―

【公開学習会】
北星学園大学脅迫事件から考える メディア、ネット社会、大学
―自由と民主主義の危機!?―

2014年春、北海道の北星学園大学に「非常勤講師の植村隆をやめさせなければ爆破する。学生を痛い目に遭わせる」という脅迫状が複数届く事件が起こりました。その後も電話やメールの攻撃も続いています。
 元朝日新聞記者の植村さんは 1991 年、韓国の元日本軍慰安婦のつらい体験の告白を記事にし、一部の人たちから批判されています。議論は言論の自由ですが、脅迫や業務妨害は犯罪です。植村さんの高校生の長女は氏名、写真をネットでさらされ「自殺に追い込む」と脅されました。長男の高校の同窓生は人違いされ、ネットに写真と実名入りで「売国奴のガキ」「自殺しろ」などと書かれる被害も生じています。

 植村さんの講座は留学生対象の「国際交流」で、慰安婦問題ではありません。学生が何を学ぶか、大学が誰を講師にし、何を教えるかは、学問の自由、大学の自治です。北星学園大学だけに限らず、神戸や大阪の二つの大学でも同様の問題が起きました。これは自由と民主主義に対する攻撃といえます。大学や植村さんに対して応援する団体も立ち上がり、現在もこの問題は続いています。

この学習会では、今回の問題を単に「一大学における特殊な講師に関する事件」としてではく、私たちの社会全体の問題としてとらえ、植村さんを応援するため大学内でさまざまな働きかけを行い、外に向けて発信を続けておられる2人の教員をお招きし、メディア、ネット社会、大学のあり方を参加者とともに考えます。 
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日 時:2015年6月14日(日)15:00~17:00 ※開場14:30

会 場:法政大学 市ヶ谷キャンパス 55年館3F 531教室
 ※アクセスはこちら

資料代
 一般:800円
 PARC会員・法政大学学生・院生:無料

登壇者
 原島正衛(北星学園大学経済学部学部長)

 勝村 務(北星学園大学経済学部准教授)

コーディネーター:内海愛子(元PARC共同代表、元日本平和学会会長)
【講師プロフィール】
◆原島正衛(はらしま・まさえ)
北星学園大学経済学部学部長。1954年 埼玉県生まれ。1977年静岡大学人文学部卒業。1985年立教大学大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学。オランダ留学、外務省専門調査員(在ベルギー日本大使館)、国際コンサルティング会社、欧州関連の研究機関等を経て帰国。1994年北星学園大学経済学部講師。1997年同経済学部助教授。2004年同経済学部教授。2013年以降同経済学部長。専門は欧州統合の歴史的分析、戦後オランダ経済分析。

◆勝村 務(かつむら・つとむ)
北星学園大学経済学部准教授。1968年東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科第二種博士課程単位取得満期退学。東京大学社会情報研究所(現・情報学環)教育部研究生課程修了。東京学芸大学非常勤講師などを務めたのち、2006年より北星学園大学に奉職。専門は経済原論および文化経済学。共編著書に『貨幣と金融』(社会評論社, 2013年)。共著書に『貨幣・信用論の新展開』(社会評論社, 1999年)、『模索する社会の諸相』(御茶の水書房, 2005年)。

◆内海愛子(うつみ・あいこ)
恵泉女学園大学名誉教授。元日本平和学会会長。元PARC共同代表。1941年東京生まれ。学生時代に日本朝鮮研究所所員。インドネシア国立パジャジャラン大などの講師を経て、恵泉女学園大教授を歴任。在日韓国・朝鮮人の人権・戦後補償運動を担う。専門は、日本アジア関係史、戦後補償論。 

お申し込み 下記のフォームにて送信いただくか、
メール、電話にてお名前申込人数をご連絡ください。
申込フォーム:こちら

共 催NPO法人 アジア太平洋資料センター(PARC)/法政大学国際文化学部

お申し込み・お問い合せ
NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)
東京都千代田区神田淡路町1-7-11 東洋ビル3F
TEL.03-5209-3455
E-mail :office@parc-jp.org 

2015年4月30日木曜日

「学問の自由を考える会」結成ーみんなで声を上げよう!

声明を発表する広田照幸・日本大教授(左)と
山口二郎・法政大教授
=衆院第2議員会館
(朝日新聞の記事から)
文部科学省が国立大学に対し、入学式や卒業式で国旗掲揚と国歌斉唱を行うよう要請する方針を示したことは「学問の自由と大学の自治を揺るがしかねない」として、国立大や私立大の教授や作家ら21人が呼びかけ人となり「学問の自由を考える会」を結成した。28日に国会内で記者会見し、文科省に要請の撤回を求める声明を発表した。
 「考える会」は声明で「国立大学法人運営費交付金に依存する以上、『要請』が圧力となることは明白」「国旗国歌の強制は知の自律性を否定し、大学の役割を損なう」と主張。代表の広田照幸・日本大教授は「式自体が教育の機会と位置づけられる中、要請は今後、具体的な教育研究の中身に政府が口を出す突破口になりかねない」と話した。今後はネット上で賛同者を集め、夏にもシンポジウムを開く予定という。



2015年4月23日木曜日

植村隆さん名誉棄損裁判 東京訴訟第1回口頭弁論&報告集会のご案内


植村隆さんが原告の名誉棄損裁判。東京訴訟の第1回口頭弁論があります。
終了後には報告集会も開催されます。

傍聴や集会で、植村さんを励ましてください。
よろしくお願いします。

報告集会からのご参加も大歓迎です。
お待ちしています。

-*-*-*-*-*-*-*-*-
【第1回口頭弁論】

○4月27日(月)15時開始
○東京地裁103号法廷
http://www.courts.go.jp/tokyo/about/syozai/tokyotisai/index.html

植村さん本人と弁護団の意見陳述を行います

★傍聴券抽選が予想されます。
14時~14時30分ころまでにお越し下さい。


【報告集会】

○4月27日(月)17時~20時(16時15分開場)

開場から集会開始まで、植村さん講演会(神戸)のビデオ上映を予定しています。

○場所:参議院議員会館講堂
http://bb-building.net/tokyo/deta/457.html

○プログラム
1 原告・植村隆さんあいさつ
2 弁護団から第1回口頭弁論の報告
3 山口二郎・法政大学教授の講演

○参加費無料・カンパにご協力お願いします

*撮影・録音を希望する方は、受付にて事前にご登録ください。無許可の撮影録音は固くお断りします。

★第2回口頭弁論日程決定!
6月29日(月)15時@東京地裁

2015年4月18日土曜日

報告:4/5開催のシンポジウム「朝日新聞問題を通して考える 『慰安婦』問題と日本社会・メディア」

会場へ取材に来られていたフォトジャーナリストの山本宗補さんが、シンポジウムの報告をご自身のブログで紹介されています。

読み応え、見応えがあり、内容を簡潔・的確にまとめてくださっています。
ぜひ、ご覧ください。

シンポジウム「朝日新聞問題を通して考える「慰安婦」問題と日本社会・メディア」報告
http://asama888.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-87d9.html




*************************************************************

4月5日(日)13:30~17:30(開場12:45)
東京外語大学でシンポジウム「朝日新聞問題を通して考える 『慰安婦』問題と日本社会・メディア」が開かれます。

植村さんは特別発言者として参加。

発言者
◆歴史学研究者の立場から  松原宏之(横浜国立大学准教授)
◆法律家の立場から     伊藤和子(弁護士・ヒューマンライツ・ナウ事務局長)
◆メディア関係者の立場から 青木理(ジャーナリスト)
              林香里(東京大学大学院教授・朝日新聞第三者委員会委員)
    
詳しくはこちらをご覧ください。http://fightforjustice.info/?p=3563

★当日の会場で、植村応援隊が作成した「資料集ブックレット」も発売します。

2015年4月14日火曜日

植村隆さん東京訴訟第1回口頭弁論へのご案内

(植村応援隊より)

植村隆さんの東京訴訟第1回口頭弁論4月 27日に開かれます。
ぜひ、傍聴へお越しください。

なお、傍聴券が発行され抽選が行われることが予想されます。
大きな会場のため、場合によっては開始30分前に抽選となることもあるようです。
お早目のご来場をどうぞ

■4月27日(月) 15時開始
■東京地裁103号法廷


*口頭弁論終了後、報告集会を開催します。
 傍聴の後は、ぜひこの集会へもご参加ください。

■4月27日(月) 17時~20時
■参議院議員会館講堂
1 弁護団から第1回口頭弁論の報告
2 植村隆さんのあいさつ
3 山口二郎・法政大学教授の講演
4 弁護団の小林節・慶応大学名誉教授の発言



札幌訴訟は4月17日に予定されていた第1回口頭弁論が延期となり、次回日程はまだ決まっておりません。


日本私立大学教職員組合連合の声明


2015年4月10日金曜日

延期されましたー札幌訴訟、第1回口頭弁論

4月17日の札幌訴訟第1回口頭弁論が延期になりました。
新しい日時はまだ、決まっていません。

被告側が東京地裁での審議を求めたことから、いったん4月17日が取り消しになったものです。
植村弁護団からは反論の意見書を送っています。
札幌地裁は、双方の意見を聞いた上で、4月末頃には判断を示すものと思われます。

詳しいことがわかり次第、またお知らせいたします。


******************************************:
植村さんの札幌裁判、第1回口頭弁論日程が決定しました。

●4月17日(金)午後2時から
●札幌地方裁判所 (中央区大通西11)

当日は、原告(植村さん)と弁護士による意見陳述が行われる予定です。
どうぞ傍聴席から応援をお願いします。

傍聴してくださる方、お手数ですが、以下のドレスへご連絡ください。
uemurasaiban.sapporo@gmail.com

※写真は弁護団と共に札幌地裁へ向かう植村さん。

2015年3月13日金曜日

小林節さん講演会「なぜ私は自由に生きるのか」(3/10)が開催されました


3月10日、呼びかけ人のお一人である小林節慶応大学名誉教授の講演会を開催しました。

弁護士会主催の集会で来札されること機会に講演をお願いし、急きょ実現したものです。

当日はご自身の生き方も含め、いろいろなことを熱く語ってくださいました。

ご快諾くださっただけでなく、ボランティア(謝礼ゼロ、延泊代・飛行機代も自己負担)で講演してくださった小林先生に感謝を申し上げます。



※周知まで時間がなく、ブログでご案内できませんでした。申し訳ありません。

2015年2月18日水曜日

■植村隆さん反証の核心―講演から(2月17日午後6時半~9時、文京区民センター)



1.吉田証言に関する記事は一本も書いていない。
1980年代の、慰安婦にするために朝鮮人の女性を済州島で強制連行したという吉田清治証言記事。朝日は16本を虚偽証言だったと取り消し、第三者委員会が残り2本をその後、取り消した。
私は吉田証言に関する記事は一本も書いていない。
※2014年12月発行『朝日新聞の落日(宝島社)』の「吉田氏の記事を多く書いた植村隆記者の妻の母は太平洋戦争遺族会の常任理事であり、植村氏は個人的から虚報を流し続けた」は虚偽。

2.1992年1月の「慰安所設置に軍が関与した」という記事も書いていない。
朝日新聞検証にもあるように、この記事は東京社会部の記者が書き、私は当時大阪社会部にいた。
※池田信夫『朝日新聞世紀の大誤報 戦後最大のメディア犯罪を読み解く』の36ページにある「92年1月の記事は強制連行の証拠を示すものではなく関与の証拠だった。しかし植村記者が解説で強制連行と書いたため宮沢首相が謝罪してしまった」は虚偽。

3.私が金学順さんについて書いた署名記事は次の2本。
   1991年8月11日の朝日新聞、大阪本社の社会面トップ記事: 「思い出すと今も涙」という見出しで、韓国で元慰安婦が調査団体へ証言したという記事で、韓国の団体が聞き取り調査をしているという物事の初めを伝えた第一報。ソウルに出張し、おばあさんに会えずテープを聞いて、つらい体験を話し始めたという様子を伝えた。この女性が「だまされて慰安婦にされた」と書き、つらい体験を韓国の団体にしゃべっているという内容。
   1991年12月25日の大阪朝日新聞の記事:初めて証言したその女性が金学順という実名を出し、その後、日本政府を相手に裁判を起こした。私は弁護士の聞き取り調査に参加し、弁護士に話す言葉をメモして、語り合うページ「女たちの太平洋戦争」に書いた。

4.私の記事は「捏造」でないという検証
■ソウル支局長から呼ばれて、大阪社会部にいた自分が書いた
   90年夏、慰安婦問題を取材するため韓国に2週間取材に行った。当時32歳。語学留学を終えたばかりで韓国語に自信があり、かけずり回ったが証言は聞けなかった。翌年、ソウル支局長から「慰安婦が証言を始めたらしいから取材に来ないか」と言われ出かけた。調査していたのは韓国挺身隊問題対策協議(代表:尹貞玉さん)。テープだけであったので「会えませんか」といったが「会えない」と言われた。残念だったが、こういう証言をしている人がいること、それを調査していることが重要であるといういわゆる一報記事として1991年8月11日付で書いた。
   その人が8月14日、韓国メディアに記者会見して自分が挺身隊だった、慰安婦だったと証言した。名前は金学順さん。15日付の韓国の新聞に記者会見が掲載されたことを連絡で知った。日本メディアでは北海道新聞だけ単独インタビューに成功し、「日本政府は責任を」という記事を書いている。
■慰安婦を「女子挺身隊の名で」と書いたことは、ねつ造ではない
当時韓国では挺身隊は従軍慰安婦をさしていた。韓国では挺身隊は従軍慰安婦という意味で使われており、他紙でも頻繁に使われていて、そのことは西岡力氏も認めている。(「別紙」参照)
   日本メディアで初めて単独インタビューした記事を書いた北海道新聞の記者だった人は「君の記事は知らなかった。当時はそう言われていたじゃないか」と答えた。
   朝日新聞の第三者委員会(2014年12月22日)は、「1980年代は挺身隊が慰安婦をさす言葉として用いられていた。92年以降に慰安婦と挺身隊の相違が意識されるまでは、混同する表現が多く見られた」と認めた。
   読売も自らの検証記事の中で「読売新聞も92年以前は『挺身隊の名目で強制連行した』という記事が複数みられる」と認めている。
■私は「強制連行」とは書いていない。
 私は記事で一切「強制連行」と書いていない。1991年12月、金学順さんが日本政府を相手に裁判を起こしたとき、他紙に「強制」という言葉が見られる。私はそれを非難しているのではなく、当時の状況を理解してもらいたいのである。(「別紙」参照)
■騙した人が養父であることを意図的に隠してはいない。
1991年12月25日の記事にある「金もうけができると地区の仕事をしている人が言いました」という表現を、「金さんを騙した人は養父であることがわからなくなっている」と批判されている。別の証言で金さんは確かにそう言っているが、弁護団の聞き取りに養父は出てこない。その時に通訳していたハッキリ会の記録にも養父は出ていない。金学順さんが弁護士に話す内容をメモして記事にしたものであるから、他の聞き書きで言われた話を書くことはできない。
■キーセン学校の養女に出されたことは、全国紙5紙とも触れていない。
確かに、弁護団の聞き取り調査のなかで「キーセンの学校に通って芸人になりたい」と言っていた。このキーセンは70~80年代のキーセン観光のキーセンではなく、韓国の芸者さん。日本の芸者が三味線や踊りなどの芸があるように、韓国の芸者さんも芸を売るのが仕事である。その養成所に行ったことが慰安婦になった理由ではない。「騙された、いい仕事があるといわれた」と言っているのに、キーセンのことを書く必要はないと考えた。読売新聞を含め、東京の全国紙5つも全て「キーセン学校に通った」ということを書いていない。

5.名誉棄損訴訟について
1月9日に東京地裁で西岡力氏(東京基督教大)と文芸春秋を相手に、2月10日に、札幌地裁で桜井よしこ氏、桜井氏の言説を載せた週刊新潮など3社を相手に裁判を起こした。
■言論ではなく、訴訟を選んだのはなぜか
   言論だけではとどまらない卑劣な攻撃が大学、そして私の家族に寄せられている。
   捏造記者ではないと証拠を挙げて説明しても、説明を受け付けないで捏造を繰り返す人には、言論だけでなく法廷の場できちんと責任をとってほしい
■その人たちを被告にしたのはなぜか
   西岡氏が「捏造」と言ったのは1998年。桜井氏は西岡氏の記事を紹介し「捏造だ」と繰り返し書いている。大学への卑劣な攻撃を直接呼びかけているわけではないが、捏造と繰り返すことであおられている面があるのではないか。
   10月23日の週刊文春。朝日新聞が「マケルナ会」発足、大学への誹謗中傷など紹介した記事に対し、櫻井氏は「厳しい言い方になりますが、社会の怒りをかき立て、暴力的言辞を惹起しているのは朝日や植村氏の姿勢ではないでしょうか」と書いている。これは、大学や私の家族が卑劣な攻撃にさらされている中で、暴力的な言辞を認めて励ましている表現ではないか。決してこのようなことは許されない。

(別紙)

◎参考メモ
【「挺身隊=従軍慰安婦」という図式で報じられた主な記事など】
(韓国では当時、挺身隊=従軍慰安婦で、日本メディアも、この言葉を常用していた)
●1984年8月25日 朝日朝刊(2ページ)=特派員記事
「日本に謝罪と補償求めよ クリスチャンの韓国女性七団体 全大統領に公開書簡」 
戦時中動員された韓国女子てい身隊(軍慰安婦)に対する日本政府の謝罪などを求めるよう、
●1987年8月14日 東京読売夕刊(13ページ)
「従軍慰安婦の実態伝える『女子挺身隊』悲劇 劇団夢屋第三作」
特に昭和十七年以降「女子挺身隊」の名のもとに、日韓併合で無理やり日本人扱いをされていた朝鮮半島の娘たちが、多数強制的に徴発されて戦場に送りこまれた。彼女たちは、砲弾の飛び交う戦場の仮設小屋やざんごうの中で、一日何人もの将兵に体をまかせた。
●1991年6月4日 毎日(朝刊15p)
「アジアの平和を考える 北朝鮮、韓国、日本が初の女性シンポ 従軍慰安婦テーマ」
尹元教授によると、朝鮮人従軍慰安婦は一九三七年から終戦まで朝鮮各地から集められ、その数は十万人とも二十万人ともいわれる。当初は十七歳から二十歳までの女性だったが、戦争が激しくなると、十四歳から三十歳以上、中には子持ちの女性も『女子挺身隊』の名目で強制的に戦地に送られ、日本兵の相手を強要された。
●1991年7月12日 毎日(朝刊17p)
「『アリランのうた-オキナワからの証言』完成 4年がかり、在日2世の女性監督」
また「女子挺身隊」などの名目で徴発された朝鮮人女性たちは自由を奪われ、各地の慰安所で兵士たちの相手をさせられた。中には十五、六歳の女性もいたという。
●1991年7月31日 朝日朝刊(30ページ)=特派員記事
「朝鮮人従軍慰安婦問題 南北共同で補償要求」
日中戦争や太平洋戦争で、「女子挺身隊」の名で戦場に送られた朝鮮人慰安婦の実態を調査している韓国挺身隊問題対策協議会の尹貞玉・共同代表は、
●1991年8月15日 北海道新聞朝刊(25ページ)=特派員記事
「日本政府は責任を」。韓国の元従軍慰安婦が名乗り-わけ分からぬまま徴用、死ぬほどの毎日
戦前、女子挺(てい)身隊の美名のもとに従軍慰安婦として戦地で日本軍将兵たちに凌(りょう)辱されたソウルに住む韓国人女性が十四日、韓国挺身隊問題対策協議会(本部・ソウル市中区、尹貞玉・共同代表)に名乗り出、北海道新聞の単独インタビューに応じた。(中略)この女性はソウル市鍾路区忠信洞、金学順さん(67)=中国吉林省生まれ=。 
●1991年8月15日付で、韓国紙が報道
韓国各紙によると、実名で記者会見をした金学順さんは「挺身隊慰安婦として苦痛を受けた私」(東亜日報)、「私は挺身隊だった」(中央日報)、「挺身隊の生き証人として堂々と」(韓国日報)など、自らも「挺身隊」という言葉を使って記者会見をした。8月18日付北海道新聞朝刊は金学順さんの連載で、「ハルモニ(注・金学順さん)が『私は挺身隊だった』と切り出した言葉・・・」
●1991年8月24日 大阪読売朝刊(17ページ)
「朝鮮人の従軍慰安婦問題 真相解明に協力を 韓国の団体代表・尹貞玉さんが来日」
連行された約二十万人の女子挺身隊のうち「慰安婦」として戦地に送られたのは八万人から十万人とみられているが、公式資料がないので正確にはわからない(中略)。ソウルの金学順さん(68)もそんな一人。十六歳の時連行されて中国の日本陸軍慰安所に送られ、半年後、逃げ出した。
●1991年12月9日 毎日夕刊(6ページ)
 「従軍慰安婦問題は過去のことではない 韓国挺身隊問題対策協代表、尹貞玉さんに聞く」
従軍慰安婦問題は、韓国では一般に「挺身隊問題」と呼ばれている。
 「私たちにとっては、挺身隊が即ち従軍慰安婦なんです。戦争中、女子挺身隊の名で徴用された女性たちの多くが、慰安婦にされたのですから」

【月刊文藝春秋92年4月号での西岡力氏の言説】
    『挺身隊』イコール『慰安婦』という俗説が通用している韓国」
②「朝日に限らず、日本のどの新聞も金さんが連行されたプロセスを詳しく報ぜず、大多数の日本人は当時の日本当局が権力を使って、金さんを暴力的に慰安婦にしてしまったと受けとめてしまった。そしていまや金さんは従軍慰安婦のシンボルにまで祭り上げられている」

植村氏は金学順さんについて一切、「強制連行」と書いていない
    991年8月11日付大阪朝刊「17歳の時、だまされて慰安婦にされた」
②1991年12月25日付大阪朝刊「『そこに行けば金もうけができる』。こんな話を、地区の仕事をしている人に言われました。仕事の中身は言いませんでした。近くの友人と二人、誘いに乗りました」

他紙は、金学順について「強制連行」「拉致」と書いた(主な記事)
《読売》①1991年12月6日夕刊19p(訴訟提訴時の報道)
「太平洋戦争中、日本軍の従軍慰安婦や軍人、軍属に強制徴用された韓国人と
その遺族が、・・・・・訴えを6日、東京地裁に起こした。・・・・16歳で出稼ぎに誘われ・・・」
(リードでは強制徴用=強制連行の意、本文は出稼ぎ)
《日経》①1991年12月6日夕刊23p(訴訟提訴時の報道)
「従軍慰安婦として強制連行された金学順さん(67)。」
《毎日》①1991年 12月13日朝刊3p「ひと」
「金さんは十五歳の春、日本軍兵士にら致された。『挺身隊、勤労奉仕の名目すらなかった。
《このやろう。朝鮮人》と殴って引っぱっていくだけだった」
②1997年12月16日夕刊9p「訃報記事」
「1924年旧満州(現中国東北部)で生まれた金さんは、41年に従軍慰安婦として
中国の前線基地に強制連行された」
                                   

2015年2月17日火曜日

『南京大虐殺 記憶の暗殺』ーあなたはこの本を知っていましたか?


 南京攻略戦に従軍した東史郎さんは1987年、中国人に対する残虐行為を記録した従軍日記を出版し、かつての上官に名誉棄損で訴えられました。この本は歴史の真実を敢然と訴えた東さんが敗訴するまでの10年間の記録です。記憶の歴史を徹底的に否定する勢力、裁判の内幕が描かれています。購入を希望される方は植村応援隊makerunauemura3@gmail.comへ。

植村応援隊からの参加呼びかけ


私たちは、元朝日新聞記者の植村隆さんを応援する「植村応援隊(略称:応援隊)」を結成しました
 植村さんは1991年に書いた慰安婦報道に関する2本の署名記事がもとで、「捏造記者」というレッテルを貼られ誹謗中傷を受けています。
 攻撃が激しくなったのは、大学教授への転身が週刊誌で報じられた20141月末頃からです。教授就任は辞退せざるを得なくなりました。それだけではありません。札幌の北星学園大学で非常勤講師をしているという情報が拡散され、大学への爆破予告、大量のメールと電話などによる脅しや嫌がらせ、17歳の娘さんを自殺に追い込むという脅迫にまでエスカレートしたのです。次年度の雇用継続が危ぶまれる状況にもなりました。
この時は、学者やジャーナリスト、市民などで結成した「負けるな北星!の会(略称:マケルナ会)」の活動、全国の弁護士による威力業務妨害の告発など、北星を励ます様々な支援の輪が広がり、脅迫に負けることなく大学は雇用継続を決定しました。
 同年12月、植村さんは「私は捏造記者ではない、不当なバッシングには屈しない」と訴える講演活動を始めました。いくつかの月刊誌へ手記を発表し、積極的に取材へ応じています。また本年1月9日、攻撃激化のきっかけをつくった週刊誌の発行元などを相手に、名誉棄損裁判を東京地裁へ提訴し、札幌でも同様の訴訟が準備されています。
提訴記者会見の場で植村さんは「司法の場でも捏造記者でないことを証明し、自分と家族、家族の友人の人権を守り、そのことで大学の安全も高めたい。私だけの問題ではなく日本の民主主義の問題。卑劣な行為は許さない。そのために闘う」と決意を語られました。
この問題への誹謗中傷はネット世界に氾濫するだけでなく、週刊誌や新聞などの大手メディアにまで散見され、誤解と悪意に基づく非難の言葉が今も流され続けています。この機に乗じるように、過去の歴史を否定する動きまで見られます。
 慰安婦問題について様々な意見や見解があるのは事実です。しかし、書いた記事によって生活を脅かされ、生命の危険にまでさらされる。そんな言論封殺を決して許すことはできません。民主主義の根幹を崩壊させる道だからです。
報道・言論の自由、学問の自由、まさに私たちの民主主義を守るために植村さんの闘いを応援しようではありませんか。多くの皆さんの参加を呼びかけます。
2015年1月30

*呼びかけ人50音順):岩崎貞明(「放送レポート」編集長)/内海愛子(恵泉女学園大学名誉教授)/呉光現(聖公会生野センター総主事)/北岡和義(フリージャーナリスト)/ 小中陽太郎(作家)/小森陽一(東京大学大学院教授)/後藤乾一(早稲田大学名誉教授)/新西孝司(北星平和宣言支持・厚別区民の会)/崔善愛(ピアニスト)/鶴田昌嘉(北海道画廊代表取締役)/西村秀樹(近畿大学人権問題研究所客員教授)/福原正和(医師)
  

2015年2月15日日曜日

2/14集会は会場いっぱい、大勢の方に集まっていただきました。
荒天の中、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございます!
53,793円という多額の会場カンパも頂戴しました。大事に使わせていただきます。
ありがとうございました!(植村応援隊事務局)

2015年2月14日土曜日

本日(2月14日)、札幌市教育文化会館講堂で開催されます。

言論の自由や人権などを守る植村さんの闘いをぜひ、応援してください。

強まり始めた同調空気に抗うためにも・・・・・

2015年2月3日火曜日

植村さんを励ます集会です。ぜひお運びください。

金順学(キムハクスン)さんの証言映像放映

■「植村応援隊」発足記念&植村さん名誉棄損裁判提訴報告集会
日程:2015年2月14日(土)
時間:13:00~15:00 (開場12:30)
会場:札幌市教育文化会館 講堂(4階)
札幌市中央区北一条西13丁目
(地下鉄西11丁目駅1番出口より徒歩5分)
参加費:無料
★応援される方は、どなたでも参加できます。直接会場へお越しください。
【集会内容】
1.植村応援隊への参加呼びかけ
2.これまでの経緯について・植村隆さんから
3.
金順学(キムハクスン)さんの証言映像放映
4.訴訟の経緯などについて
5.激励リレートーク


主催:植村応援隊
お問い合わせ先:makerunauemura3@gmail.com (マケルナウエムラサン)

2015年2月1日日曜日

「北星学園大学問題」が私たちに問いかけること~遊通信第151号から


 北星学園の理事という立場におられる高橋一さんの寄稿です。

①(日本の)大学人は自らが、知の共同体の一員である感覚を身体化していないのではないか?
②プロテスタント・キリスト教主義に立つ多くの大学が見せたこの問題への態度には、その精神が血肉化されていない脆弱があるように思われる。

この二つの指摘、そして、<民主主義制度>ではなく、<民主主義を創り出す精神>が日本人の中にどこまで身体化されているのか、という問いに真摯に向き合う必要があるのではないでしょうか。

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2015年1月26日月曜日

市民の力が動かした

呼びかけ人でもある斎藤耕弁護士「今後、大学の自治・学問の自由を貫く上で、市民が大学を支援する活動はますます大事になっています」。

2015年1月25日日刊赤旗

2015年1月18日日曜日

ご案内:吉見義明講演会ー日本軍「慰安婦」問題をどう考えるか

 植村さんの民事裁判は偶然、吉見義明教授が提訴している裁判(http://www.yoisshon.net/p/blog-page.html)と同じ裁判官が担当することに決まりました。
 その吉見義明教授の講演会が札幌で開催されるとのことです。

吉見義明講演会ー日本軍「慰安婦」問題をどう考えるか

日時:2015年1月20日(火)18:30~(開場18:00)
会場:札幌市教育文化会館 4F講堂(北1条西13丁目)
会費:前売 800円 当日1000円

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※前売りチケットは、道新プレイガイド、大丸プレイガイドほか
 
・主催:日本軍「慰安婦」問題の解決をめざす北海道の会

日本軍「慰安婦」問題をめぐって論議が続いています。
本講演では、日本軍「慰安婦」制度とはどのようなものだったか、何が問われているのか、2013年からはじまった吉見裁判※の争点は何か(「慰安婦」=性奴隷は捏造なのか)、朝日バッシングの問題点などについて考えます。 
   
★吉見義明(よしみよしあき)さん
中央大学商学部教授(日本現代史)
・主な著書
『新しい世界史(7)草の根ファシズム』(東京大学出版会、1987年)
『従軍慰安婦』(岩波書店、1995年)
『毒ガス戦と日本軍』(岩波書店、2004年)
『日本軍「慰安婦」制度とは何か?』(岩波書店、2010年)
『焼跡からのデモクラシー 草の根の占領期体験』全2巻(岩波書店、2014年)